視能訓練士の活躍の場が広がっている。斜視や弱視の子どもの訓練指導という本来の役割に加え、さまざまな検査で専門的な知識と技術を発揮している。高齢化で白内障や緑内障の患者が増えたことや検査機器の進歩に伴い、専門知識を持つスタッフが必要になったためだ。国家試験合格者が急増し、東北でも新たに、養成を手掛ける大学が出てきた。
仙台市青葉区郷六の平成眼科には、常勤の視能訓練士が12人いる。検査やメガネ合わせが主な役割だ。
視能訓練士として1999年から同眼科に勤める村上絵理子さん(31)は約30種類の検査機器を使いこなす。「機械はどんどん増えている。検査のやり方や最新の治療法をしっかり理解していないと、的を射た検査をできない」と話す。
患者の症状によっては、1人の患者に10種類近い検査を行うこともあるという。岡部仁院長(56)は「医師は検査に十分な時間を割けない。診療チームの一員として、今後も訓練士を増やしたい」と言う。
厚労省によると、視能訓練士の有資格者は全国で8138人いる(2008年12月現在)。09年度の国家試験の合格者は624人で、5年前(484人、04年度)と比べて、28%増えた。
視能訓練士を雇う病院などが増え、「現在は需要に供給が追いつかない状況」(日本視能訓練士協会)という。
東北には、養成機関が東北文化学園専門学校(青葉区)と東北文化学園大(同)の2施設ある。
学園大は訓練士の養成を手掛けるため、08年度新たに、医療福祉学部に視覚機能学専攻を設けた。学科長の佐々木一之教授(眼光学)は「最近は広く眼科の知識に通じた『眼科技術士』としての視能訓練士が求められている。いずれは、就職先もレンズや医療機器メーカーなどに広がるだろう」と話している。
[視能訓練士]視能訓練士法に基づく国家資格。国が指定する全国24の大学や専門学校などを卒業すれば、試験を受験できる。従来は弱視や斜視の子どもの視能矯正が主な役割だった。93年の法改正に伴い、検査や集団健診、低視力者のリハビリテーションなどに業務が広がった。
【出典】河北新報(10/28) http://www.kahoku.co.jp/news/2009/10/20091028t13043.htm