宮城県内の医療機関で2日、基礎疾患(持病)のある患者を対象にした新型インフルエンザワクチンの優先接種がスタートした。対象は感染で重症化の可能性がある1歳から小学3年までの子ども、入院治療中の患者と妊婦。予約制のため初日は入院患者が中心となったが、一部医療機関ではワクチンの納入に遅れが出て接種を開始できなかった。
仙台市若林区のNTT東日本東北病院では、医師と看護師が病室を回り、18人に接種した。
慢性肺疾患の60代の男性は「流行が広がっているので心配だった」とほっとした様子。関節リウマチを患う50代の女性は「早くほかの重い病気の人にも行き渡ってほしい」と語った。同病院は今週中に最優先リストに載せた90人に接種を行う方針だ。
若林区の仙台市立病院は、持病のある入院患者のうち希望者数十人に接種した。持病のある1歳から小学3年までの患者の予約受け付けも始めた。
宮城野区の東北厚生年金病院ではワクチンが届かず、接種は3日以降にずれ込んだ。
対象患者は200人を超す。担当者は「すぐ接種を始められる態勢にはなっているのだが…」と納入の遅れに気をもんでいた。同病院は「遅れの理由は具体的に聞いていないが、今週中には接種を始めたい」と話している。
次回の接種は11月中旬開始の予定。約6万人分のワクチンが配布される見込みで、一般の妊婦と持病のある患者で優先順位が高い人が対象になる。
◎接種優先順位に理解求める 村井知事
村井嘉浩知事は2日の定例記者会見で、同日に新型インフルエンザワクチンの優先接種が始まったことに関連し、「ワクチン量が不足している。あらゆる手を講じて、重症化する患者や亡くなる人をなくす」と述べた。
優先接種の対象者は持病のある1歳から小学3年までの子ども、入院治療中の患者と妊婦に限られている。村井知事は「国から示された量以上のワクチンを確保できない。ある程度の優先順位をつけて接種しなければならない」と理解を求めた。
職員の本俸給与、期末・勤勉手当(ボーナス)の引き下げを求めた県人事委員会勧告の実施に合わせ、本俸給与の削減幅を5.5%から4%に圧縮する方針については「単純に勧告を実施すると、職員にとって大きな負担になることを考慮した」と説明した。
◎青葉区民まつり きょう開催予定の「子ども相撲」中止
仙台市は2日、青葉区民まつり(3日)のイベントの一つとして青葉区の勾当台公園で開催する予定だった「こども相撲青葉場所」を中止すると発表した。新型インフルエンザの感染拡大を防ぐための措置。区民まつりは予定通り行う。
こども相撲には区内の小学生約160人が参加する予定だった。青葉区まちづくり推進課は「相撲は半袖、半ズボンで組み合い、接触の度合いが高い。2日に臨時休校した学校も多い」と中止の理由を説明している。
◎休園休校は180校に
県教委によると、2日、新型インフルエンザの感染拡大を抑制するために休校措置を取った県内の公立幼稚園、小中学校、県立高校は仙台市を除いて123校あった。仙台市は、同日に市立の小中学校、高校など計57校を休校にすると事前に発表しており、全県では計180の公立幼稚園、学校が休校になった。
仙台市を除く123校の内訳は幼稚園18園、小学校63校、中学校28校、高校11校、支援学校3校だった。
仙台市を含む私立は幼稚園47園、小学校、中学校、中等教育学校各1校、高校3校の計53校が休校した。
◎急患センター受診急増 仙台市
新型インフルエンザの流行拡大で、休日診療を行う仙台市急患センター(若林区)と市北部急患診療所(青葉区)の内科、小児科を日曜日の1日に受診した患者が計801人に上った。前週を180人上回っている。仙台市立病院(若林区)が同日の日中に設けた臨時の小児科外来には132人が訪れ、分散化に一定の効果はあったが、患者の増加ペースに追い付かない状況だ。
市救急医療事業団によると、急患センターを訪れた491人の59.5%に当たる292人、北部急患診療所で受診した310人の66.8%に相当する207人が新型インフルエンザの疑いと診断された。
急患センターでは、受け付けから会計まで最長で4時間掛かった人もいたという。
事業団は「市立病院が診療していなければパンクしていたかもしれない」と話す。
市立病院は3日の日中も小児科外来を設ける。東部休日診療所(宮城野区)、広南休日内科小児科診療所(太白区)、泉地区休日診療所(泉区)の3カ所の休日診療所、市内2カ所の休日当番医も診察する。
【出典】河北新報(11/3) http://www.kahoku.co.jp/news/2009/11/20091103t11033.htm